


数ある再生医療・PRP製剤の中で、L-cepferを導入された背景・理由をお聞かせください。
大原先生;
当院では、PRPの採血および提供に関する再生医療の第3種申請 は行っており、現在も治療提供可能 体制にあります。しかしながら、PRPの提供には毎年の申請更新や委員会承認が必要となり、手間だけでなく費用面での負担も小さくありません。
PRP単独の治療は、効果発現までに一定の時間を要しますし、他にも様々な治療提案ができますので、
年間で何十件も積極的に推奨する治療という位置づけにはなっていません。
現在は、ECMに働きかける製剤の選択肢も増えており、こうした背景から、10年以上前と比較するとPRPの相対的な優位性は変化してきていると感じています。
また、フィラーと比較した場合は、皮膚の質感に対する変化は比較的早期から実感されることが多い一方で、短期間で大きなボリューム変化をもたらす治療ではなく、脂肪増殖といった点においても限定的です。
こうした背景から、当院でのPRP提供体制の見直しも今後検討しており、許可を伴わずに運用可能な選択肢としてL-cepferを導入しています。実施件数や効果特性を踏まえると、申請・更新にかかるコストを含めた全体のバランスにおいて、L-cepferの方が現実的に経済合理性が高いと判断しています。
大原先生;
L-cepferの大きな位置づけとして、「異物を体内に入れたくない」という患者層への提案が挙げられます。このようなニーズは一定数存在しており、その場合には第一選択として案内しています。
また、異物使用が許容される場合であっても、フィラー治療における血管塞栓リスクへの不安や、過去にしこり形成を経験した患者様に対しては、代替手段としてL-cepferを用い、「時間をかけて組織を育てていく」アプローチを提案しています。
自己由来であることから、仮に血管内に入った場合でも塞栓リスクを生じない点は大きな特徴であり、そういう意味では「どこでも打てる」という安心感があります。
また、AGA治療領域ではさまざまな薬剤が存在するものの、メソセラピーとして使用されるものの多くが海外製であり、効果には個人差が大きく評価が難しい側面があります。そのため、「これが第一選択」といえる決定的な製剤が確立されているわけではありません。
こうした背景から、L-cepferも選択肢の一つとして活用しています。また、目周りには しこりリスクも、塞栓リスクもないなめらかで均一な性質から非常に使いやすく、目回りの治療には大変有用です。一方で、頬全体のように短期間でみずみずしさを求めるケースでは、他の製剤の方が適していると考えています。

治療における
ポジショニングと使い分けを教えてください。

AGA治療については、
どんな方に使っていて、
実際の反応はどうですか?
大原先生;
効果の出方には個人差がある前提ではありますが、適応としては、完全に薄くなっている状態というよりも、「減ってきた」と感じ始めた段階の方が対象になりやすいと考えています。
実際に治療を開始すると、2回程度で髪の毛の根元のツヤが良くなってくるケースが多く、新たに生えてくる毛についても、短いながら黒い毛が出てくる印象があります。
男性はミノキシジルやその他の治療で発毛効果が得られやすいので、L-cepferの必要性は低いと感じますが、女性は使える治療の選択肢が限られるため、「女性に使えるものが少ない中で使いやすい治療」という点でもメリットを感じています。
女性のAGA治療はエクソソームを用いられるケースも多いと思いますが、PRPのほうが早期の張りとコシの実感、3か月単位での発毛の実感のお声をいただくことが多いと感じます。
女性だと特に、前髪の生え際にL-cepferを投与すると満足度が高いと思います。
こうした背景から、年齢層は40代後半〜50代前半の患者様には「受けが良い」と感じています。60代の方でも、もともと毛量がある程度残っている方のほうが、反応は良い印象です。
80代以降のほとんど毛が生えていない患者様にはあまり適していないかなと感じています。
大原先生;
マイクロニードルやダーマペンなどのニードル系デバイスとの組み合わせは相性が良いので活用しています。
フラクショナルレーザーもしくはマイクロニードルは微細損傷を作って成長因子供給の相乗効果があるのでPRPは適していると感じます。
一つの例で言いますと、瘢痕組織が硬くなっているニキビ跡の患者様には、ニードル系デバイスでサブシジョンの後に、L-cepferを注入、もしくは塗布しています。粘度の高い製剤を無理に注入すると、阻血を起こすリスクがありますが、PRPはこうしたリスクが無いため、硬い瘢痕組織に対してもアプローチしやすいと感じています。
このような瘢痕組織が硬い症例のように治療選択が限られるケースにおいても、柔軟に取り入れられる点が有用だと考えています。

相性が良いと感じる
デバイス治療はありますか?

L-cepferの特長や従来のPRPとの違い、また今後の可能性についてどのようにお考えですか?
大原先生;
一番実感している点は、L-cepferは治療効果の発現の速さです。
通常のPRPと比べると全然違うと思います。
一般的なPRPも自己由来で安全性が高く、さまざまな部位に使用できる良い製剤ですが、採取しただけではなく、しっかりと活性化のプロセスを経ることが重要だと考えています。実際に韓国などでも、こうした活性化を前提とした流れが主流になりつつあります。
L-cepferはこの活性化が適切に行われているため、単純なPRPと比較して治療効果の発現が早いと感じています。
臨床の中でも、通常のPRPとは反応の違いを実感する場面が多く、結果として患者様の満足度や継続意欲にもつながっている印象です。
PRPの今後の可能性としては、現在はさまざまな製剤が広く使用されている中で、しこりや過度なボリューム形成といった課題が見られるケースもあり、今後はそうした点がより注目されていくと考えています。
そのような中で、PRPは自己由来であるという安全性に加え、過剰な刺激を与えすぎない“適度なスティミュレーション”にとどまる点が特長です。結果として、過度な変化を避けながら自然な改善を目指せる治療であり、今後あらためて評価されていく可能性があると感じています。
実際、さまざまな治療が広がる中で、一度選択肢が膨大に増えた後に、安全性やバランスを重視した治療へと見直される“揺り戻し”のような動きが起こることも考えられます。そうした流れの中で、PRPのような治療は再評価されるポテンシャルがあるのではないかと考えています。
大原先生;
PRPは人工製剤とは特性が異なるため、
L-cepferは6本あるからといって、「どこにでも使う」というよりは、その特性が活かせる部位から使っていくことが大切だと思います。
使用部位を広げすぎてしまうと、PRP本来の特長が伝わりにくくなり、患者様から十分な評価が得られない可能性もあります。
例えば、上まぶたのくぼみなど、皮膚が薄く他の製剤ではアプローチが難しい目周りなどは、PRPの特性を活かしやすいと思います。
そのため、まずは適応を見極めながら、PRPの強みが発揮される部位から治療を開始することが、導入初期においては重要であると感じています。

最後に、L-cepferの導入をご検討されている先生方へ
アドバイスをお願いいたします。
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<治療内容>
L-cepferとは、独自の血液加工受諾サービスにより、お客様から血液を受諾し、CPC(細胞培養加工施設)でPRP由来成長因子を無細胞化してフリーズドライ(凍結乾燥)化させたものです。
①診察⇒採血
医師による診察でPRP療法に適応されるか判断します。適応となった場合、当日または別日に当院で採血を行いCPC(細胞培養加工施設)へ配送します。
②CPCより加工されたPRPが返送
約2週間後、CPCよりご自身のPRPがフリーズドライ化されて返送されます。
保管期限は製剤作成後1年間です。
③注入
ご自身のお肌や頭皮など、お悩みの部位に注入します。
<標準的な治療費用、期間>
PRP治療:150,000円〜300,000円程度/1〜3回
頭皮PRP治療:350,000円程度/5回~6回セット
※費用・回数は医療機関により異なります。
<リスク・副作用>
・注入による疼痛、針痕、内出血
・PRPは自己血由来のため、基本的にアレルギー症状は出ません。
・併用する局所麻酔剤による蕁麻疹やアナフィラキシー等が出現する可能性があります。







