


数あるPRP-FD製剤の中から、
L-cepferを導入された背景・理由をお聞かせください。
佐藤先生
L-cepferを導入したきっかけは、整形外科領域での基礎研究を共同で進めるお話をいただいたことでした。
もともとL-cepferは膝関節領域での使用経験がまだ少ないと聞いておりましたので、「実際に使用するのであれば、基礎データもしっかり取得しながら進めていこう」という考えがあり、大学との研究も含めて取り組むことになりました。
当時は、メーカーが保有するデータのサンプル数が限られており、十分な論文化や確立したプロトコルもまだない状況でした。そのため、「それであれば自分たちで検証してみよう」と考え、大学との連携のもと基礎データの取得を進めました。
実際に、フリーズドライ製剤に含まれるサイトカインやタンパク質の解析を行ったところ、抗炎症に関与するIL-1 receptor antagonist(IL-1Ra)などの抗炎症系の成分が増えていることが確認され、さらに組織修復に関わる因子も十分含まれていることが分かりました。
また、当日調製型PRPとの比較も実施したところ、大きな差は認められず、フリーズドライ化による成分の損失も少ないことが確認できました。この結果は、L-cepferを使用する上で大きな後ろ盾になっています。
佐藤先生;
主な対象は、変形性膝関節症の患者様です。
特に、保険診療でヒアルロン酸注射などを行っても十分な改善が得られなかった患者様に対しては、有力な選択肢の一つとしてご提案しています。

クリニックでは、どのような
患者様にL-cepferをご提案されていますか?

実際にL-cepferを使用して
感じられたメリットや、
患者様からの反応を教えてください。
佐藤先生;
PRP治療全般に共通するメリットではありますが、採血のみで治療準備ができる点は患者様の負担が少ないと感じています。
さらに、フリーズドライ製剤であるため長期間保管できることも大きな利点です。
患者様の予定変更にも柔軟に対応できるほか、スポーツ選手であればシーズン開始前にあらかじめ作製・保管しておき、ケガをしたタイミングですぐに使用できるというメリットもあります。
一方で、製造に約3週間かかるため、「すぐ治療したい」という患者様には対応しにくい点はデメリットと言えます。
また、幹細胞培養治療と比較すると、治療費を抑えられる点もメリットの一つだと考えています。
幹細胞培養治療とは作用機序が異なるため、両者を直接比較して優劣を判断することはできませんが、患者様が再生医療を検討される際には、まず比較的取り入れやすい治療としてL-cepferをご提案しやすいと感じています。コスト面のハードルが低いことから、「まずは試してみたい」という患者様にも選択していただきやすい治療だと思います。
治療効果については、大学で行っている当日調製型PRPと比較しても遜色ない印象を持っています。
もちろん全ての患者様に効果が得られるわけではありませんが、「痛みが改善した」という声は比較的多くいただいています。
また、当院では患者報告アウトカム(PROMs)を用いて評価していますが、客観的な評価でも改善が認められている患者様は多く、良好な結果が得られていると感じています。
佐藤先生;
関節内へ確実に投与することを最も重視しています。エコーを使用できる場合はエコーガイド下で施行し、使用しない場合でも、局所麻酔薬を用いて関節内への到達を確認したうえで投与するよう心掛けています。
投与は基本的に1回で行い、その後は1か月後、3か月後、6か月後に経過を確認しています。少なくとも半年間は経過を観察し、その結果を踏まえて次の治療方針を判断しています。
大学でのデータでは、1回目で十分な効果が得られなかった症例は、2回目を実施しても改善しにくい傾向が確認されています。
そのため、患者様から強い希望がない限り、効果が乏しかった場合に同じPRP-FDを繰り返し投与することは基本的に行わず、細胞治療など次の治療選択肢を検討しています。
効果の持続期間は一般的には半年〜1年程度とされていますが、1年以上良好な状態を維持されている患者様もいらっしゃいます。
その中でも、炎症が強く関節液が貯留しているような炎症性の変形性関節症では、抗炎症作用を持つサイトカインが含まれていることから、比較的効果が得られやすい印象があります。

L-cepferを関節へ投与する際、先生が特に意識されている手技や工夫、投与回数・間隔などのプロトコルがあれば教えてください。

今後、整形外科領域における
再生医療はどのように発展していくとお考えですか。
また、その中でL-cepferに期待することがあれば教えてください。
佐藤先生;
現在、培養(自家培養軟骨移植)などの再生医療も保険適用となっていますが、今後は内視鏡手術などの低侵襲な治療とあわせて、より多くの患者様へ提供できるようになっていくことを期待しています。
また、日本が強みを持つiPS細胞を活用した治療も、法律や制度の整備が進めば、より身近な治療になっていく可能性があると考えています。
L-cepferについては、細胞そのものを移植する治療ではないため限界はありますが、ヒアルロン酸注射よりも効果が期待できるという報告も多くみられます。
ヒアルロン酸注射と同じく、保険診療でも使用できるようになれば、より多くの患者様に恩恵を届けられる治療になるのではないかと期待しています。
一方で、再生医療の分野では、十分なエビデンスが確立される前に製品だけが普及しているケースも少なくありません。メーカーが自社データを保有している製品もありますが、十分なデータや論文化されたエビデンスがないケースも少なくありません。
そのため、当院では大学病院とも連携しながら、基礎研究や臨床データを積み重ね、客観的なエビデンスに基づいて治療を提供することを大切にしています。
今後も、こうしたデータを蓄積し、再生医療の発展につなげていきたいと考えています。
佐藤先生;
前述の通り、L-cepferはフリーズドライ製剤であるため、冷凍保存設備も不要で、長期間保管できることが非常に大きなメリットです。
患者様のスケジュールに合わせて柔軟に投与できる点は、日常診療において非常に使いやすいと感じています。
また、基礎研究により、抗炎症や組織修復に関与する成分が十分含まれていることも確認されていますので、成分解析により、含有成分が明らかになっている点も安心して使用できる理由の一つだと思います。
さらに、関節だけでなく、美容領域やAGA、瘢痕治療など幅広い領域で活用できるため、症例に応じて使い分けられる点も魅力だと考えています。

最後に、L-cepferの導入を
ご検討されている先生方へ
メッセージをお願いいたします。
<<医療広告ガイドラインに基づく表示>>
<治療内容>
L-cepferとは、患者様ご自身の血液を採取し、CPC(細胞培養加工施設)にてPRP(多血小板血漿)由来の成長因子を無細胞化・フリーズドライ(凍結乾燥)化した製剤です。変形性膝関節症などの膝関節疾患に対し、膝関節内へ注入する治療に用いられます。
①診察・検査・採血
医師による診察や必要に応じて画像検査等を行い、症状や病状を確認したうえで、PRP療法の適応を判断します。適応となった場合、患者様ご自身の血液を採取し、CPC(細胞培養加工施設)へ配送します。
②CPCでの加工
採取した血液からPRP由来成長因子を無細胞化し、フリーズドライ(凍結乾燥)化します。加工後の製剤は医療機関へ返送され、所定の方法で保管されます。
保管期限は製剤作成後1年間です。
③膝関節内への注入
診察のうえ適切な時期に、作製された製剤を膝関節内へ注入します。治療後は医師の指示に従い、経過を確認します。
<標準的な治療費用、期間>
PRP由来製剤による膝関節治療:150,000円~400,000円程度/1回
※費用は使用する製剤や医療機関により異なります。
※治療回数や投与間隔は、症状や治療経過等を踏まえて医師が判断します。
※本治療は保険診療の対象外となるため、自由診療(自費診療)となります。
<リスク・副作用>
・採血時の疼痛、内出血、血腫、まれに神経損傷等が生じる可能性があります。
・膝関節への注入時に疼痛、腫れ、熱感、内出血等が生じる可能性があります。
・注入後、一時的に膝の痛みや炎症症状が強くなる場合があります。
・注射部位から感染を起こす可能性があります。
・自己血由来の製剤のため、アレルギー反応が生じる可能性は低いとされていますが、完全に否定することはできません。
・治療効果や効果の持続期間には個人差があり、十分な効果が得られない場合があります。







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